公衆電話。
人と待ち合わせをした。
わけあって彼女は携帯電話をもっていないんだ。
待ち合わせで決めていたのは、公衆電話から電話をするということだけ。
私は彼女からの電話を待っていたのだ。
約束の時間がすぎても携帯電話はならない。
私は、彼女にからかわれてしまったのかなと、彼女を疑ったのだ。
相手は携帯電話をもっていないから私から連絡することしかできない。
待つことしかできない辛さ。。。
電話がないことを残念に思いながら、東京へ帰る電車にのった。
電車が動き始めてから、携帯電話が鳴る。
携帯番号でも「非通知」でもなく、「公衆電話」と書かれた文字。
長いこと公衆電話というものを意識したことがないことを思い出す。
街角で公衆電話から話している彼女の姿を想像してた。
彼女を疑ったことを恥、もう会うことができないという
寂しさ、悲しさ、が心を締め付ける。
車窓から流れる風景を見ながら、公衆電話の文字を見て苦悩した。
電話にでると、明るい彼女の声。それに反比例した私の暗く狼狽えた
言葉。
彼女に電車に乗ってしまったことを伝え、申し訳ないと言い電話を切った。
東京に帰ってから彼女から電話があった。公衆電話から。
電話がある嬉しさ半分、会えなかった悲しさ半分を思いつつ電話にでた。
長く話しをした。40分も。
テレホンカードの度数がなくなるまで、彼女は私と話しをしてくれた。
明るくて楽しい話に心が暖かくなった。
最後に、「カードがなくなるから切るね」の言葉のあと、電話が切れるまで
私は自分の携帯電話を握りしめていた。
話おわって、満ち足りた気分となんとなく切ない気分。
携帯電話にはない風景と情感。昔公衆電話から話していたころって
なにかもっと電話での一言一言を大事にしてたような気がする。
相手が携帯電話でなくて、公衆電話で話をしているのがとても不思議な感じ。
携帯電話が普及して公衆電話なんかいらないだろうと思っていたけど。
いつでもどこでもつながることのできる携帯にはない、どこかの街角の
公衆電話からかける情感・・・。
とても久しぶりに体感することができた。
また会える日を楽しみにしてるよ。J
おしまぃ。